一度の保証(短編集)

貞司が好き


誰にも渡したくない


あたしは、そんな想いに駆り立てられる。


岬さんの存在は、そこまであたしを不安にさせた。


あたしは、この見えない不安から逃れる為、ある計画の実行の決意を固めた。


アタシは、


テイジを、


殺す。


そして想い願う。


あたしが生き返らせる。


あたしの貞司へのとてつもない想いが証明でき、貞司だってそんなあたしを今よりずっと愛してくれる。


生き返らせたあたしは、貞司にとって かけがえのない存在になれる。


誰にも取られることはない。


でも、その為には、あたしが殺す時、あたしだと気づかれないようにしなくてはならない。


そこが、今回の最大のポイントとなる。


だって、あたしのこんな強い想いで、貞司を生き返らせられない訳がないもの。

計画の実行日は、貞司が次の休みに遠出しようと言っていた日


方法は…







毒殺


これしかない。


あたしだとは分からないはず


誰がいつ毒を盛ったかなんて貞司に気づかれない


丁度よく、今の時代 無意味に毒を混入する愉快犯だって多い中
あたしの計画は進めやすいものになっている。