一度の保証（短編集）

そうだ！

あたしは、思いつき、役所へと足を戻した。

あたしは、さっきと同じ役所の人に声をかけた。

「あの、これ、この三枚目」

「あっ さっきの…
ええ、どうされました？」

「この、母からの保証なんですが、母に戻してもらえませんか？」

役所の人は、眉をハの時に傾け 残念そうに言う。


「あのですね。この保証は、もうあなたの者で、なので、子であるあなたからお母さんには保証を受け渡す事はできないんです」


「そんな…
そうですか」


思いつきは、むなしく家への道のりを帰る。


家へ入ると、ママは買い物から帰ってきたばかりのようで、野菜を冷蔵庫の中になおしていた。


「あら、おかえり。桃華」

「ただいま、ママ」


あたしは、ママがしている動作を目で追ってつったっていた。


「どうしたの？桃華？どこか調子でも悪いの？」


ママは、手に持っていた品物を置き、あたしの元へかけ寄ってきた。


あたしは、唇を震わせ喉を痛くし、涙と鼻水を流した。


「マ…ンマン… ごべんなざい…」


「桃華〜、どうしたの！？」


「ごめんさない、ママ」


ママは、あたしの頭を撫であたしを頭ごと抱きしめた。