一度の保証(短編集)

「君に、悪い事をしたと言っていた。
ついイライラしてしまう事も多かった。ヒステリーを起こしていたことも多かった。
いつも眠る時に、あー悪かったな。と思っていながらだったと。
起こさないよう寝顔を見に部屋を見に行って寝顔を見ると、ごめんね。っていつも思ってばかりだったとね。
でも、なかなか我慢して直せなかったと…」


「そう…ですか……」


あたしは、医師にぺこりと頭を下げ、何も声も出さず病院を後にした。



あたしのした事は、ママの保証…命を奪ったことだけだったの…?


そんな…そんな事したかったんじゃないのに…


ただ、幸せになりたくて…
少し疲れて…
休みたくて…


本当は、誰かに助けてほしくて…
甘えたくて…


あたし、あたし…


どうしよう


ごめんなさいママ


あたしは、ママに愛されたかったの


拓哉の3分の1でいいからその3分の1全部を独り占めしたかったの。


あたしも、拓哉みたいに…って。


あたしは、拓哉のように飛び抜けて勉強ができる訳でも頭の回転が良いわけでもなかったけど、あたしなりに誉めてほしかったの


拓哉と比べずあたしのレベルで。
あたしがいけなかったの?