一度の保証(短編集)

きれいな言葉使いで話す女の子は、あたしとはまったく中身もだろうが正反対で…




「あの!もうすぐ実家の方に帰るから、裕馬君にも もう逢うことないだろうし、お礼だけプレゼントで贈りたくて、今 ちょうど 逢えて良かった!」




彼女は、あたしをちらっと気にしてみていながら言った。




「あたしの事なら気せんでいいよ。
せっかく選んできたんやろ?
裕馬も嬉しいと思うし」




「はい、すみません」




「謝ることないやん、な?裕馬」




「うん、ほんまに。
嬉しいわ、ありがとう」




彼女は、裕馬に渡そうと、あたし達の側まできた。




プーンとほのかな残り香のような香水の匂いがする場所に 彼女は来て、裕馬に 大きくはない包みを渡していた。




「最後に握手してもらいたいんだけど、いいかな?」



控えめな態度の彼女に裕馬は、優しく笑み彼女の手に握手しにゆき、彼女を少し引き寄せると、空いている片腕を彼女の背中にまわしポンポンとしてあげ言う。



「ありがとう えりな。
向こう帰っても ホストにはまるなよ?」




冗談ぽく笑って彼女に言う裕馬に彼女は、すごく嬉しそうにしていた。