一度の保証(短編集)

昔は、裕馬の方が あたしを好きだっただろう




なのに、いつからか 今は、あたしの方が裕馬に夢中になっている。




五分と五分の気持ちになるのって難しい




そんなのあるわけないと知ってたつもりなのに、自己中なあたしは、同じになれるんじゃないかとか どっかで思っている。




日頃歩いている道とはそれて行こうとして歩いていたその時、




あたし達の後部から、声が届けられた




「裕 馬 君!」




あたしと裕馬は、同時に振り向くとそこに居たのは、きれいな黒髪のどこから見てもスレてないような女の子




あたしは、すかさず裕馬の顔にも視線をうつした。




「えりなやん?こんなとこで どないしたん?」




お客さんのようで、あたしは、とりあえずは、腕だけ裕馬から離した。




「あ、偶然 みかけて…
その人が 奥さん?」




「そうやで」




彼女は、あたしをじろっと見たけど、すぐ裕馬をうるんだ瞳の視線を向けて見た。




「早く 帰りや〜
あんましょっちゅう来るとこちゃうで えりな」




「うん、今から友達と待ち合わせて帰るとこなの」