一度の保証(短編集)

あたしの近くに来た化粧の濃い水商売を匂わす年下っぽい女の子が話しかけてきた。



「留衣さんって、昔 キャバしてましたよね?
でも、なんでか突然すっぱりやめたって聞いてたんで、でも今日来て納得です」



「納得?あははっ
でも、割りのいいアルバイトくらいに思ってたから、すっぱりとかつもりはなかったし。
たまたまそうなっただけ」



「裕馬くんと一緒に居たんって留衣さんやったんですね〜」




「まぁ、そうなるんかな」



「二ヶ月前 結婚したって聞いてびっくりしましたし〜」




「そんな世間の人みたいな感動する作業じゃなかったで」




「あたしは、ダーリンとそうなれますかね〜」




そう言った女の子は、笑顔でも悲しさを秘めているような寂しそうな目つきをし、彼氏であろう男を見た。



だれだって真剣に 事を考えることなんてある。



こんな風に 派手に夜に生きていても、好きな男との未来は かけがえのない大事な物なのだろう。




「不安が消えるくらい、分かるように真剣さを見してくれたらいいよね」




あたしは、その子ににっこり優しく笑顔した。