一度の保証(短編集)

裕馬も、あたしの声を聞き、「うん」と落ち着いた声で言った。



いざ 買うとなるとかなり迷って決め、買い物が終った頃 裕馬に今日逢う相手から電話が 入った。




「え?もうみんな集まってんの?!
ごめん すぐ行くわ!」



携帯をポケットにしまうと、裕馬があたしに言う。



「留衣ちゃん 急ご!
時間 過ぎてた!」



「じゃ 小走りで行こか?」



「いい?ごめんな留衣ちゃん。今日の奴 一人 時間にうるさい奴おるから助かる。
あっそうや!」



ポケットにしまった携帯をまた出し、あたしの肩からかけてある鞄に入れたあと、財布もまたポケットから出しあたしのに入れた。



「落としたら嫌やから入れといて」




あたし達は、とゆうかあたしは小走りで出来るだけヒールでも急ぎ、勇馬はあたしに合わせて走り急いでいた。



「裕馬、もう着くの?」



「うん、あ!ほら 見えた。みんな待ってるわ」



どこかよく分からなかったが、あたしは返事をしておく。



「あ〜 ほんまやなぁ。
急ごう」



すると、繋いだ手の先にいる裕馬は 振り返りあたしを見てあたしの名前を呼んだ。


「る いちゃーん」