一度の保証(短編集)

「どういたしまして」



にっこり答える裕馬は、あたしの手をとり、言う。



「やっぱり留衣ちゃん愛してるわ〜」




「やっぱりって何よ〜」



あたしは、笑いながら軽く言った。



そんなあたしに裕馬は、微笑んで首を傾けあたしの顔を見た。





「なぁ、裕馬、どこいくんやったっけ?」




「まだ時間あるからぶらつこって、留衣ちゃん。今日は、俺の一番始めに働いてた店のやつ等と飲みに行くゆうてたやん」




「今日やった?そうなんやぁ。
向こうもみんな彼女づれやったよな?」




「おっ それは覚えてたんや!良かった〜」




「場所知ってんの?
大体、後で電話するわ」




「ふーん。裕馬と飲みにって久しぶりやな。
それまでどこ行く?」



あたしが聞くと、裕馬は、くいっとあたしの腕を自分の腕に捕まえさし歩き出し、あたしもそのままついて行く。




「デパートの銀行でお金おろすわ。
ほんで、デパート見よ」




「何買うの?」




「ふふんっ」




教えない裕馬をほっといてあたしは言う



「まぁ いいや!楽しみにしてるわ」



「うん!行こ!」