克也は、裕馬に捕まれた腕を振り払い、気をとりなおしたかのように、あたしにもう一度通帳を見せ言った。


「これって久美のやろ?」


あたしは、それを見て、間違いなく久美が、貯めてたものだとわかった。


「それより、久美についてたりに行きーや!」


「なんで俺がっ」


「なんで!?
あんた久美の彼氏やろ!」


「俺は、久美の彼氏でもあるってだけじゃ」


あたしは、久美が、哀れでならなかった。


なんでこんな男…


あたしは、力無くした


あたしに変わり裕馬が言う。


「克也さん、その通帳久美ちゃんから預かったんでしょ?じゃあ久美ちゃんのなんじゃないんですか?」


「判子どっか無くしてもうたし、今、銀行で試したら暗証番号、俺の生年月日じゃないし!」