「あれ…もう1人は?」
『…』
なんなのよ…もう…
話しかけてこないでよ…
話しかけてきたのは長崎だった。
「…」
少し沈黙が続き沈黙を破ったのは長崎だった。
「お前、周りに気遣わせる人なんだな…。」
『誰が、あんたに気遣えなんて…』
「はぁなんで俺が気遣わないといけねぇんだ!!」
なんなの…意味わかんない…
『人の気も知らないで嫌みばっか言ってっ』
ダンっ
ざわざわ
「どっちが?」
「自分しか見えてないのはお前だろ!!」
『意味わかんない!!』
がっ
あたしはカッとなって教室を出た。
ドン
「あっ夏!!」
沙代にぶつかった。
あたしは何も言わず走り出した。
「長崎!!夏に何言ったのよ!!」
なんであいつにそんなこと言われないといけないの…
「沙代…
なんで…演劇部入んないのカナ…?」
えっ?
「絶対入りたいって言ってたのに…」
「でもほら…
夏羽ちゃんにあんなことあったし…」
『っ-』
そ…だった…だ
あたしのせいで…
あたしが立ち直れないから…
あたしは…
沙代の…重荷…だ…。

