『なんで…なんであんなこと言われなきゃいけないの…』
「うん…」
『なんも知らないくせに…』
「夏羽落ち着いて…」
『うん…ありがとう…
大丈夫だから…』
季節は休むことなく流れて行く…
あたしだけ…
おいていきながら…
ガヤガヤ…
「おはよー長崎。」
沙代は長崎に話しかけた。
「はよっ…」
長崎はまだ眠そうに答えた。
『私先行くから…』
なんで…こんな人と話さなくちゃいけないの…
雪のこと…悪口言ったくせに…
「夏…」
「まるで悲劇のヒロインだな…」
「そりゃあおもしろく言われたら根に持つは!!」
「沙代!!」
「ん?」
中学のトキ仲良かった子たちに話しかけられた。
「やっぱり演劇部入んない?」
「今はいいや…」
「えっでも中学とき絶対演劇部入るって…」
「今はホントにいいや…
みんな頑張ってね…」
「うん…バイバイまたね」
「また…」
スタスタと教室に戻っていった。
やっぱ今は夏のことしか考えられない…
「夏にいらないこといわないでよ?」
「ああ…」

