そう道形様には私のほかに正室がいる。

 私はわかっていて婚約している。



 今日も道形様は正室の愛宮(あいみや)様のおところへいかれている。




 「もうかえってくるところなのに………。なにかあったのかしら。」




 遅くなるのは分かっているのだけれど会いたい。会いたくてしかたがない。





 道形様はこんな子供だった私をたくさんの愛で包みこんでくれている。






 だから私は道形様のお役に立ちたい!!




 ということで道形様に白拍子の舞を披露してくれと頼まれた。