シュン、キミはとても可愛らしい顔立ちで、誰とだって愛想よく話せて、素直。

キミに彼女がいないのは不思議でならなかった。

あたしが引っ越してから、この地に戻ってくるまでの6年間。

中学だって、高校だって、きっとキミはモテてただろうに。

大学で偶然再会したときも、あたしはすぐにキミだとわかった。

「オレ、変わってないだろ?」

自分のことを『僕』と呼んでいたキミは、今ではすっかり男の子ぶって『オレ』って呼ぶようになってた。

なんだかくすぐったくて、あたしはお腹を抱えて笑ったっけ。

「彼女なんていたことないよ。」

キミはそう言った。

その瞬間に

6年前、心の中にしまいこんだ想いに、ゆらゆらと淡い炎が灯ったの。