「トモが遅刻するなんて珍しいね。」

視線を上げると、そこにはキミの笑顔。

「忘れ物をしたから一度家に戻ったのよ。」

嘘。来たくないから、遠回りしただけよ。

「あの、はじめまして。」

キミの左隣から聞こえる、キミの彼女の声。

頭がクラクラする。

“朋美!いいかげんに腹を括りなさい!”

自分で自分を奮い立たせなきゃいけないなんて。

情けないね。

ゆっくりと顔を左に向けて、微笑む。

“朋美!笑うのよ!”

「はじめまして。シュンくんの友達の朋美です。」

軽く会釈して、彼女を見る。

とても・・・小柄で可愛らしい女の子がそこにいた。