午前中の授業が終わり、昼休みが来た。

注目すべきは甲斐君の弁当だ。
あの体格からすると、かなり食べるに違いない。
二段、もしくは三段弁当か。それともパンやおにぎりを大量に持ってきているのか。
僕は1人でドキドキしていた。

しかし甲斐君は僕のそんな期待をよそに、大きな伸びをした後でようやく立ち上がり、そのまま教室を出て行ってしまった。

少しガッカリして弁当箱を開けようとした所で、僕の名前を呼ぶ声がした。

「たくま!お前もこっちで食わねー?」

見ると後ろの方で浅ちゃんが手招きしてる。

「あっ、うん!!」

浜と川島も一緒だ。
この三人は仲が良い。弁当を食べるのもトイレに行くのもいつも一緒だ。
僕はそんな三人の輪には入れないのだけれど、たまに浅ちゃんの気が向くとこうやって僕を誘ってくれた。