「あっ、すんません。」

意外にも甲斐君は謝罪の言葉を発し、すぐに態勢を戻した。

その瞬間、僕は胸を撫で下ろした。いや、他の誰もが。

「昨日はあまり寝れなかった?初日だから緊張してたんだろうね。
じゃあ今日は先週配布した資料の•••

「時差ぼけかなー」

えっ?

「えっ?」

僕の心の声と教師の声が重なる。

「大阪と富山ってどれぐらいあるんですか??時差」

えっ?

僕の心の声とクラスメート全員の心の声が重なった。気がした。