~wild eye~【完】

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「俺はお父さんの顔を知らない。
俺が生まれてすぐに違う女と駆け落ちして家を出て行った。




母さんも最初は仕事も家事もしっかりして、俺のこともよく面倒を見てくれて大好きな母さんだった。

でも俺が育つにつれ母さんは俺に暴力をふるうようになった。



「お前の顔見てるとあの人を思い出す。」


って言われたのが1番最初のことだった。



初めのうちは俺に暴力を振ってもすぐに謝ってきた。

母さんは俺の“お母さん”であっても1人の“女”であって男の人と恋に落ちて結婚する話しまであった。

でも相手の男の人に母さんが俺を紹介したらどの人も
「子持ちとか無理だわ」って言ってはなれていった。

それから母さんはますます俺に暴力をふるった。

「お前がいるから私は幸せになれないんだ。」
「お前なんか生まなきゃよかった。」

こんなこと毎日言われ続けていた。








それでも俺はずっと耐えてきた。

でもある日俺が学校から家に帰ってきたとき家には知らない女の靴がいくつもあった。

母さんの友達だろと思っていた俺は気にせず家に入っていった。



でもそれが間違いだったんだ。