だらだらと首筋を伝う汗。 じりじりと肌を焦がす日差し。 むしむしと纏わりつく高温度の空気。 そしてさらに苛立ちを倍増させる蝉の鳴き声には参った。 まさに夏。 本格的に夏が始まりを告げる。 「…あつい」 口から出る声さえもがアイスのように溶けていく。 同時に自分も溶けていくんじゃないかという気持ちになる。 あたしは机に突っ伏したまま唸り声をあげていた。 そんなあたしを残念そうに見つめながらほのかは言う。