鈍い音が廊下中に響いた。 目を開いて音が聞こえた場所へと視線を移せば、そこには夏目涼がいた。 彼の拳は、あたしに言葉を放った男子生徒の顔のギリギリのところを射止めている。 「夏…目…りょ…」 あたしは呆気にとられてしまった。 まさか思ってもいなかった。 夏目涼はあたしのすぐ後ろにいた。 「ひ…ひい…っ!」 顔面ギリギリに拳が打ち付けられたことに大きく悲鳴を上げた男子生徒。 さらに追い討ちをかけるように、夏目涼はドスの聞いた低い声で言った。