神様がくれた夏




病院に入った瞬間、さっきまでの勇気が嘘のように崩れ始めた。



「………」



「…本当は恐くて逃げ出したい」




思い出したくない。


一秒でも早く脳内から削除したいのに、先輩に近づいていると思うだけで蘇る。



体を弄るあの感触。


助けを願ったあの瞬間。


諦めたその先。



蘇る。


それだけで吐き気が起きる。



震えを抑えることで必死だった。



「………っ」



けれど。