「…なに」 気づいたら視線が合わさっていた。 相変わらずやる気のなさそうな気怠い声にハッとして足が止まる。 やばい。 もしかして見ていたのを気づかれていた? 「な…ななな、何でも…ないっ」 あたしは慌てて俯いた。 バクバクと心臓が騒いで収まらない。 これから勝負に行くというのにこんなんじゃだめだ。 大きく深呼吸を繰り返す。 とりあえず落ち着かなければどうしようもない。