そして言う。 「ありがとう」 もう大丈夫だと思った。 もうその瞳はさっきまでのものではなく、しっかりと前を見ている。 「…あぁ」 俺はそう呟くと俯いた。 俺にできることは少ないかもしれない。 けれど少しでもいいからあいつを力づける何かになってほしいと思う。 俺のできることはあと1つかもしれない。 そんな思いを胸に、俺たち2人は体育館の裏へと急いだ。