あたしのせいだ。 あたしのためだ。 「ごめんなさい…」 その言葉しか出なかった。 どうしてこんなにも彼は温かく優しいのだろう。 どうしてみんなはそれを知らないんだろう。 絶対知っている人の方が少ない。 「…謝りたいのは俺の方だ」 「…?」 彼の手はあたしを泣き止ませるかのように背中を上下する。 その手がまた温かい。