神様がくれた夏

―――ピーンポーン




二度目の音。


インターフォンが鳴る。



物音はしない。


人の気配も感じ取れない。




「いない…か…」



思わずそんな言葉が零れた。



くるりと夏目涼の家に背を向ける。


しょうがないから戻ろうと思った瞬間、一気に緊張が解けてその場に座り込んでしまいそうになった。




けれど突然。




あたしは何かに呼ばれたような気がして振り返った。


しかし振り返っても誰もいない。