今一度今井さんはあたしの顔を見つめ、 「お願いね」 そう小さく溢した。 その声はすごく温かくて、あたしに勇気をくれた。 SHR開始を知らせるチャイムが鳴り響く。 「じゃあ」 そう言って今井さんは駆け出した。 その背中を見送り、あたしも駆け出す。 けれど向かう場所は教室ではなく昇降口だ。 昇降口でローファーに履き替えると校舎から飛び出した。