そして。 キラリと、光るそれ。 右耳だけに光る、シルバーでクロス型をしたピアス。 単純に、ただ綺麗だと思った。 けれど忘れてはいけない。 あたしの目の前に立つ少年はあたしの思い描く〝少年〟ではないということを。 「ごめんなさいっ!!!」 はっと我に返ったあたしはまず最初に慌てて頭を下げた。 やばい。 本当にやばいかもしれない。 これはもう確実〝あれ〟だろう。