「けれどそんなことをちっとも知らない教師や周りの子たちは夏目くんを責めた」 彼は敵を造りやすい性格をしているから、それが裏目に出てしまう。 ぶっきら棒で一匹狼すぎるのだ。 「今井さん…」 「なんでしょう?」 あたしは言わなくちゃいけなかった。 この事件が起きてしまった、その理由。 原因の種がここにいるのだ。 俯いて、搾り出すように言った。 それはあまりにも情けない声だった。