自分自身も聞きづらいことから、さっきよりも少し大きい声でそう逆に聞いてきた夏目涼にあたしは酷く困惑した。 「あ、たしは…」 そうくるとは思っていなかった。 続く言葉が見つからない。 あたしは俯いたまま足元を見つめるしかなかった。 「校内にいたのか?」 「あ…う、ん…」 やばい。 どうしよう。 とてつもなく気持ち悪くなってきた。 視界が回る。 渦巻く。 ぐるぐるぐるぐるぐる。 気持ち悪い。 吐き出したい。