そう強く願うと、浮かんできたのは夏目涼の顔だった。 どうしてだろう。 1番に浮かんできた彼の顔を愛しいと思う。 すると何かを察したのか、先輩は言う。 「ほら、また考えた」 その言葉に温度はなかった。 温かみは一切ない、氷点下の言葉だった。 顔にはさっきまでの笑みは無い。 何も無い、無表情。 「…!!」 「ほら、な?」 なんでも知っているようなその口調に鳥肌が立った。