神様がくれた夏




走る。


走る。



昇降口へと向かう角を曲がったときだった。





―――ぐっ





「…っ?!」




唐突に誰かに腕を掴まれた。


そのまま部屋へと引きづり込まれる。



あたしの抵抗は一切通じない。




「な…っ」




驚いたときにはもうあたしの足は地にはついていなかった。



次に聞いた音はガンっと何かに打ちつけられる激しい音。


直後に体中に痛みが走った。