いつまでも彼に奢られっ放しというのは良くない。 だから言ったのだ。 「今日はあたしが奢るよ」 「は?」 「あたしばっかり奢られっ放しだしっ」 変な気を悟られないようにあたしは慌てた。 すると彼は怪しいとでも言いたそうに眉間にシワを寄せる。 「いや、別に…」 「奢るの!」 あたしは彼の言葉を遮ってはそう強く言い切った。 言い切ったもん勝ち、逃げた者勝ちだと思ったあたしは振り向くことなくプールから抜け出した。