あたしは何も悟られないよう、いつもと変わらない笑顔で言った。 「大丈夫だよ。 先輩、友達と盛り上がる話でもあって急いでいたのかもしれないしね」 「うーん…そうなの?」 「そうなの」 大丈夫。 大丈夫だよ。 先輩は相変わらずのあの態度。 何も変じゃない、通常営業だ。 だから気にする必要はない。 変なのはあたしだ。 けれどどことなく、心が寂しくなってしまうのはどうしてなのだろう。 あの日から先輩に対して恐怖心のようなものが芽生えた。 極力学校内で会いたくないと思ってしまうことが増えた。