分からない。 だから考えてもどうしようもない。 そよそよと心地良い風は相変わらず吹いている。 ちょうどいいその温度は眠気を誘ってくる。 あくびを噛み殺し、再び夏目涼を見つめた。 ちょっとくらいならいいよね。 次の授業からはしっかり出るから。 なんて自分に言っては夏目涼と同じように上向きで寝転んだ。 隣には夏目涼。 体育館の裏の日陰。 誰も知らない、誰にも知られたくない関係。 そんなあたしと夏目涼。