「うん、大丈夫そう」 「そ」 夏目涼はあたしの質問に短く頷くと、視線を下げてしまった。 そこでようやく鼓動が通常へと戻っていくような気がする。 あたしは頬にペットボトルを当て、そのヒンヤリとする温度に心地良さを覚えていた。 あたしはそこで思い出す。 「あ、これ…ありがとう」 「あ? あぁ」 「お金…放課後返すから」 「別に構わねぇ」 そう言うと、夏目涼はもう一段上に座ったまま移動しては寝転がった。