夏目涼の罰―――プール掃除を手伝う、ということに関して、あたしにはプラスになることが1つもない。 むしろマイナスになることしかない状況で、誰が受け入れるというんだ。 当然、あたしはキッパリと言い放った。 「お断りします。」 丁重にお断りいたす。 すると先生はバッと勢いよく頭を上げてはあたしを見つめてきた。 「……!」 なんて哀しそうな顔をするんだ。 どうしてそんな瞳をするんだ。 捨てられた犬、とでも言うのだろうか。 そんな瞳であたしに訴えかけてくる。