神様がくれた夏





夏目涼は大きく舌打ちをすると、ズカズカと大きな歩幅で歩み寄って来た。



「…終わるかっての」



バンッと勢いよく乱暴に何かを机に叩きつけた。



どうやら機嫌はマックス悪い模様だ。


八つ当たりなんてされたら最悪だと思ったあたしは一歩横にずれ、夏目涼と先生を向き合わせるようにした。



「まぁなぁ、今日始めて今日終わるわけがないか」



「…分かってんなら言ってんじゃねぇよ」




机に叩きつけられたものは鍵だった。


しかもそれは1つではなく、5・6つついている鍵だ。



どこの鍵だろう? と思ったけれど、夏目涼の姿を見たらすぐに分かった。