Summer FLOWER




付き合ってほしいと伝えると、君はいいよと笑った。
その時は付き合えたことが嬉しくて気が付けなかった。


3秒間の沈黙に。








ずっと片思いしていた女の子と付き合い初めて4ヶ月が経った。
特に大きな喧嘩もなく仲良くやっている。

好きやでと言うと照れながら知ってると言うのが可愛くて、見事にハマったなぁとしみじみ思う。



会いたいと思うといてもたってもいられなくなって彼女の家の最寄り駅まで行ってしまう。ダメだとわかっているのにどうしても抑えが効かないんだ。自分でも異常なのはわかっているんだけど。


こういうのちょっと困ると言われたが、好きなんやからしょうがないやろと言い返すと彼女は黙った。




こんな風に自分の想いを、ひとつもこぼさずに伝えればずっと一緒に入れると思っていた。


ある日突然それは起こった。

別れてほしいのと俯きながら話す彼女はいつもよりも綺麗に見えた。

なんで?と聞くと好きな人が出来たと言った。嫌や、考え直して、嫌なところは直すから、などいろいろとごねたが彼女は断固として折れなかった。



バニラアイスが食べたいと言っていても、俺がチョコと言えば彼女もそうした。

和食が食べたいと言っていても、俺がオムライスと言えば彼女もそうした。



いつでも彼女は俺に合わしてくれていた。だけど今だけはそうじゃないみたいだ。

俺の目を見る彼女の瞳はいつもよりもずっと力強くて直視できなかった。



これは、たぶん、無理だ。


わかったと答えると、彼女はごめんと言って部屋から出ようとした。


好きなやつ、誰?と尋ねると元カレと答えた彼女は俺が見ていたいつよりも女っぽい顔をしていて苛立ちを覚えた。


涙を必死に堪え、はよ行けやときつく言ってしまうのはきっと俺が子供だからだろう。

また一つ、ごめんと残し足早に彼女は去って行った。




部屋にはまだ彼女のいた形跡があって、それが余計に俺を悲しくさせた。


泣きながら、一度も彼女は好きと言ってくれなかったなぁとぼんやり思った。
だけどもう今更悲しくなんてならなかった。