姉貴には勝てない


吉久さん…やっぱりすごい人だ。
僕も、あんな大人になれるかな…?


ガラッ


「昴!!」

「姉ちゃん…ごめん…僕…」


姉ちゃんは目が赤く、腫れていた。
きっと…泣いてたんだ。
僕のせいで…



「昴…良かった…目…開けてくれないかもって思ってた…」


姉ちゃん…本当は、凄く
優しい人。
僕にとって一番大切な人…


「昴君、輝ちゃん…お腹、空いたよね?
なに食べたい?」


「僕…今、食べる気しない…」

「昴…」

「…じゃあ、桃切っておくから…食べたくなったら食べてね」



吉久さんは、
仕事があるとかで…病院を後にした…