「待つのだヴォラクー!」
どこからか低い雄叫びが聞こえてきた。
「あ!オセーもついて来ちゃった~」
現れたのは金色の豹の姿をした悪魔だった。
「貴殿は我が輩との決闘から逃げ出すのか!?」
唸る豹の悪魔にヴォラクはのんびり返事をする。
「逃げてないよ~。呼ばれたんだよ~」
「ヴォラク、オセーと何してたのさ」
アンドラスが興味なさそうに尋ねる。
「決闘だよ~!オセーと僕のペットとどっちが強いか戦ってたの~!」
「ペット」と言いながら後ろの巨大ドラゴンを指差す。
「我が輩が負けるわけないだろう!悪魔の軍団を率いる将の我が輩が、たかがペットに!」
悪魔オセーはかなり興奮していたが、人間の少女に気づき普段の冷静さを取り戻した。
「なんだ?人間がいるが?」
「そうそう、その子だ~れ~?」
シルヴェスターは自分に隠れるティアナを前に来させると、彼らに紹介した。
アンドラスの気まぐれで彼女を育てること。
人間には食事が必要なこと。
しかし誰も料理ができないこと。
「なのでヴォラク様に助けを求めたのです。貴方の能力は何でも欲しいものを手に入れることができましたよね?」
「わかった~!ボクの力で食べ物を出せばいいんだね~!」



