悪魔の熱情リブレット




 白い悪魔が不在の静かなシャッテンブルク。

「アンドラス、帰って来ないね」

今日中には戻ると言っておいて、あの日からすでに三日が経過した。

(やっぱり、アンドラスは私といるよりも戦いの方が好きなのかな…)

時間を忘れるほどに。


「ティアナ様、主は必ずお帰りになります」

「うん…わかってる。けど…」

暗い表情が晴れないティアナ。

そんな彼女を元気づけようと、シルヴェスターは己の本音を犠牲にしてある提案をした。


「…自分が様子を見てきます」

「え?」

「一度、自分が魔界へ戻って主の様子を確かめてきます」

本当は、行きたくない。

行きたくないが…。


「本当!?ありがとう!シルシル」

彼女が明るく笑うから。


(ベリアルと接触するなんて、二度とごめんでしたが…)

ティアナの笑顔のため。

シルヴェスターはすぐに魔界へと飛んだ。