悪魔の熱情リブレット


「一億年後まで再生できないくらい切り刻んであげるよ!!」

仮面をかなぐり捨て、瞳を曝け出す。

アンドラスは破壊の両目でしかと相手を見据えると、全力でベリアルに突っ込んでいった。

「フッ…せいぜい、一万年程度だろう」

素手で攻撃を受け止める悪徳の化身。


「ほざけ!!!!」


まずは片手。

アンドラスはベリアルの左腕をためらいなく切り捨てる。

「ほう。我としたことが…あっさりと持っていかれたな」

「次は足なんてどう?」

余裕そうに尋ねるアンドラス。

「ククッ、いいかもな」

狂った者同士の狂った戦い。

意味や目的もなく、ただ戦闘や破壊や血への欲求を満たすために争う。

白い悪魔の言う通り、切り離される右足。

「貴様はこのままじゃ、また僕に負けるね。それがお望み?」

金色の瞳で見下したようにベリアルを見つめる。

「僕、うずうずしてるんだ。久々の両目全開で破壊衝動が半端ないんだよ」

ベリアルはアンドラスの話を聞いているのか、いないのか。

自分の足から流れ出る血を掬いとって舌で味わっている。

「聞いてるの?」

するとベリアルは座り込み、切られた腕を拾った。

「楽しいなぁ…。アンドラス…」

自分自身の片腕にかぶりつく。

「貴様、本当にイイ趣味してるよね」

白い悪魔は嘲り笑いながら大きく剣を振り上げた。

「その目障りな顔をぶった切ってあげるよ!!!!」

金色の瞳が狂気的に輝いた。