悪魔の熱情リブレット


一瞬でルシファーとの間合いを詰めた。

アンドラスはそのまま攻撃へと繋げる。

「滑稽だな」

爪で弾き返しつつ嘲笑うルシファー。

「滑稽?何、言ってんの?悪魔の半分は、人間の女に恋して…堕天した、奴らでしょ?」

息を荒げながらも反論する。

「ククッ、そうかもな…」

地獄の王は楽しげに笑うが、その瞳は冷たいまま。


そんな時、ふとルシファーはあるものを目にした。

「…アンドラス…お前は目障りだ…」

「はっ?」

突然の不機嫌な声音に、意味がわからず声を出してしまった一瞬の隙。

威力の強いルシファーの足蹴りをまともにくらってしまったアンドラス。

「ぐあっ!!」

脇腹を押さえ床に倒れ込む。

「興を削がれた。もう良い。ティアナの魂は帰してやるから、とっとと失せろ」

「はあ!?」

急な態度の変化に罠かと疑ってしまう。

「なら今すぐ…ティアナを、元の体に帰してよ…」

「いいだろう…。バシン!」

いきなりの主の呼びかけに心臓が勢い良く跳ねたバシン。

「な、なんで今俺様を呼ぶんだー!!」