再び燃え盛る炎の壁を通り抜け、寝室に戻ってきたルシファー。

ぼんやりとしたティアナをベッドに横たわらせ、大胆にもその上に覆いかぶさった。

「さあ、宴の続きといこうか。二人きりのな…」

緩慢な動作で彼女の首筋を舐めあげる。

「やっ…!」

与えられた官能に体を震わせる少女の心。

「感じろ。そして鳴け。魂の悲鳴は私の心を満たす最高の快楽だ…」

降り注ぐ声に捕われてしまったのだろうか。

自分の脳内が本能的に逃げろと警告しているが、ティアナは全く動けない。

「あ、なた…の…」

まだ反抗できる口を開き言葉を紡ぐ。


――目的は、何…?


そう尋ねようとした時、荒々しい口づけが落とされた。

喋るなと言わんばかりに彼女の唇を貪る闇の悪魔。


(や、嫌ぁーー!!)


涙を静かに零しながらも抗えない感覚に溺れ、飲み込まれる。

すなわち、陶酔。

「嫌がりながら感じるな。もっと虐めたくなる」

残忍な悪魔の囁きを聞くも、少女の心は壊れなかった。

キスの余韻で頬を上気させながらティアナは涙声で言った。

「や、なの…。アンドラスじゃ、なきゃ…」


(私をイジメていいのはアンドラスだけ…それに…)


――キスもアンドラスのしかいらないの…