一方、アンドラスに冷たく無視されたゴモリー姿のティアナはかなり落ち込んでいた。
「アンドラスにプイされた…」
ぷいっと違う方向を向いてしまった彼を寂しそうに見つめていると、ルシファーがニヤニヤ笑いながら言った。
「アンドラスはお前に気づくまい。その姿でいる限り、向こうから近寄っては来ぬぞ」
「そんな…。一緒に帰りたいのに…」
「帰る…?」
ルシファーは目を細めたが、それも一瞬のこと。
「それよりも、何か食わぬか?ここには人間が生み出したあらゆる土地の料理が用意されているぞ?」
彼女を円卓に連れていき、空いている席に座らせる。
周囲には巨大な蛇や狼などの悪魔達が座っていて恐いことこの上ない。
気を逸らそうと、ティアナは目の前に並べられている珍味をまじまじと眺めていたが、遠くで酒を飲むアンドラスが目に入り周りのことなどどうでもよくなった。
「アンドラス…」
呟きが聞こえたのか、ルシファーは面白くなさそうに酒を口に含み、それをティアナにも勧めた。



