悪魔の熱情リブレット


「愛情?ふーん…僕からの愛情で、ね…」

興味なさげに聞く素振りをするも、仮面の下で頬をほんのりと赤らめる。

「そんな事より、この酒なかなかいけるぞ!アンドラス、貴殿も飲んで我が輩の相手をせんか!」

そう言ってオセーが彼のカラスの仮面を引っぺがした。

「うわ!オセー!全く、強引だな…」

しぶしぶ酒に口をつける。

そして、もう一度漆黒の悪魔を見やった。

(悪魔の王ルシファー。あまり奴自身と親しくはないが、噂は色々聞いたな…。性格最悪で気に入らない部下は片っ端から切り捨てる情け知らず。まあ、悪魔が情け深くても仕方ないけど…)

そこまで考えて、ふと気づいた。

(あれ…?この気、どこかで…)

悪魔ルシファーから発せられるまがまがしい気。

あまり交流がない相手の気をどうして覚えているのだろうか。

(どこだ…?確か、つい最近だったような…)

ルシファーを観察しながら思い出そうと記憶を探っていると、不意に彼に抱かれているゴモリーがアンドラスを見た。