そこには見目麗しい漆黒の悪魔の王。
そして抱きかかえられた彼の寵姫。
「ゴモリーも一緒かい。相変わらず彼女は美女だな~!」
バシンが美女と賞賛するゴモリーは確かに美しい。
だがアンドラスにはその美が理解できなかった。
「あんなののどこがいいわけ?ただの乳のデカイおばさんじゃん」
「ア~ンドラ~ス!?お嬢ちゃんだって、いずれはああいう大人の美女に成長するんだぞ!?そんな審美眼でどうする!!」
「ティアナが、ああなるの…?」
想像してみる。
しなやかな体つきをした、背が高くて胸が豊満で腰のくびれが目立つ美女。
そこにティアナの顔を当ててみる。
「…なんか、違う…」
ぼそっと呟かれた独り言。
「ていうか、乳がデカイティアナなんて想像できない…!」
真面目に語るアンドラスにサリエルが苦笑した。
「胸の大きさは置いといて、女性というものは愛されると美しくなるものですよ。ですからきっと、ティアナもゴモリーとはまた違った美しさを放つ女性に成長するでしょう。アンドラス、貴方の愛情で…」



