夏 色 の 風-After Days-






改まって、亮佑と円香は

向かい合って椅子に座った。




やはり。

亮佑の目が充血していて、

乾ききっていない涙が頬に残っている。





「なんっか、改めると結構

恥ずかしい構図なんだが。

直之に今度こそ殴られちゃうかも」



ははは、と笑う。

だが円香は、それが空元気の

嘘笑いと知っている。




「ねぇ、何があったの?

ナエちゃん絡みってのは分かるけど」


「なんも?ちょっと母さん達に疲れただけ」


「嘘なんてやめてよ!!

こっちは本気で心配してんの!

じゃなきゃ直之と別行動で亮佑を

追っかけて来るわけないじゃん!」




つい大声になり、

廊下まで響いたようで通行人が

チラチラ教室の2人を見たが、

それどころじゃない円香は続けた。





「せっかくの学祭、ナエちゃんと

回れなくてイライラしてんの??

それとも、あの大学生に嫉妬メラメラ?」


「いや、…だから、

円香には関係ないから…」


「関係なくない!!

いい加減観念してよ亮佑!

あたししつこいの知ってるでしょ?」





はぁ、とでっかいため息をして

亮佑は円香の頭を撫でた。

参りました、降参−−−。

暗にそう告げているのだと、

円香は理解した。