演奏終了後、中庭から少し離れた所で

待っていた陵介早苗組と合流し、

6人はクレープ屋を目指して歩く。



そんな中、6人は

亮佑、ナツ、菜々子と偶然廊下で

出会ってしまった。

そんなに広くない校舎だから、

いつかはこうなると分かっていたが

早苗は気まずそうに、

双子はチャンス到来と目が輝く。



「私たち、ご挨拶してくる!」



走り出した双子に、早苗は静止を

促すが聞くはずがなく。



距離にしてほんの数メートルだが、

何を話しているかまでは分からない。



大学生3人に囲まれて放置の早苗だが、

急にまた、陵介が肩を抱いた。

亮佑が見てるのに…と思いながら

事情は先ほど聞き及んでいたので、

とりあえず、スルーで笑顔を取り作り

取り留めのない話で場を保たせる。





馬鹿な亮佑が、誤解しませんように…!




そう、切に願う。

本当ならメールなり仕草なりで

伝えたいが、今の状況では

何も出来ない。





どうかどうかどうかっ

亮佑が誤解しませんように……!!!






双子が帰って来て、

6人はクレープ屋に改めて向かう。




亮佑に申し訳ない気持ちでいっぱいの早苗と

亮佑の落ち込んだ表情を見る事ができて

幸せいっぱいの双子。



「ごめんね早苗ちゃん。

もしかしてさっきの彼…」



「きっ、気にしないで下さい!

大丈夫!大丈夫ですから!」



陵介にフォローされても

全然大丈夫じゃない早苗だったが、

突然、あることに気が付いた。