そんなことを思っていたら。
「花鈴、いじわるそうな顔してんぞ」
「ほんとだ、花音もそっくり!
さすが双子ちゃんだね」
双子が買った食べ物を持った、
達也と将暉が微笑みながら頭を
ぽんっと叩いた。
「もぉ、髪乱れちゃうぅ」
恥ずかしそうに頭を抑える花音。
見た目はさすが立石家なだけあって、
中々の美少女な2人。
学祭に合わせ、ツインテールだった
髪型を花鈴はお団子に、
花音は編み込みヘアに整えた。
2人とも、年上の人と出歩くなんて
経験が乏しくて、今更ながら
大学生2人とこうして学祭を回っている
現状が気恥ずかしく感じる。
普段見る年上男性はあの
ろくでなしシスコン和馬だけなので、
達也と将暉の清廉された爽やかさや
大学生ならではの大人っぽさに
ちょっとドキドキしてしまう。
「ほら、次はどこ行きたいの?」
笑顔で問われ、チラリと後ろの
早苗を見てみるが、今は何やら
陵介と話し込んでいるようで
声はかけずらい。
どうしよっか?と顔を見合わせた所で
校内アナウンスが中庭の吹奏楽部の
演奏を伝えた。
「吹奏楽部かぁー、俺、昔トランペット
習ってたんだぜ?意外だろ?」
「え!将暉トランペットやってたの?
すごーい!今も吹けたりする?」
「はは、さすがに無理!
演奏とダンスだって。見にいく?」
「「行くー♪」」
見事にハモった双子の手を、
自然と繋いで4人は中庭に向かった。

