話は遡って、亮佑たちと別れてすぐのこと。
新井 陵介と名乗る男は、
早苗より5つ年上の大学三年生だった。
同様に、達也、将暉も同じ大学の
三年生だが、達也は一浪したとの話で
早苗より6つ年上らしい。
双子ーーー花鈴と花音が連れて来た
謎の大学生らは、達也と将暉が
花鈴、花音とそれぞれ腕を組み
楽しそうに笑いながら早苗の前を
にぎやかに歩く。
「あれ食べたい!」
「あれ見たい!」
2人の要求に見事な対応力を見せ、
早苗から見ればただのパシリにも見える。
大学生をもパシリにしてしまう、
異母姉妹の将来が心配だ。
「早苗ちゃんは何か食べる?」
「あ、いや、大丈夫です…」
早苗の隣にはピッタリと
陵介が張り付いている。
正直ウザい…と思いながら、
きっちり笑顔で対応する自分、偉い!
そう思う早苗である。